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助成金・補助金・給付金の違いをわかりやすく解説|申請前に知るべきポイントまとめ

2025.12.24
補助金
税理士
上田 泰弘

助成金・補助金・給付金は、いずれも国や自治体が提供する“返済不要”の支援制度です。
しかし、この3つは 目的・審査の有無・自己負担・入金時期 など、仕組みが大きく異なります。

これらの違いを理解せずに申請すると、
「自己負担が思ったより大きかった」
「入金が遅れて資金繰りが苦しくなった」
など、制度の落とし穴にはまる可能性があります。

この記事では、助成金・補助金・給付金の違いをシンプルに整理し、
自社に合う制度を選ぶための基礎がわかるようにまとめています。

1.助成金とは

助成金は、雇用環境の改善、人材育成、研究開発 などに取り組む事業者を支援する制度です。
特に厚生労働省が提供する助成金は、雇用保険料を財源としており、
労働保険(労災保険+雇用保険)への加入が前提となるものが多くあります。

主な特徴

  • 要件を満たせば 原則審査なしで受給しやすい

  • 職場環境整備や人材育成を後押しする制度が中心

  • 返済不要

  • 申請期限があるため早めの準備が必要

助成金は比較的取り組みやすく、初めての制度活用にも向いています。

 

2.補助金とは

補助金は、新規事業・設備投資・サービス開発・IT導入 などに取り組む事業者を支援する制度です。
政府の政策目的に沿って幅広い種類があり、応募内容に対して審査が行われます。

主な特徴

  • 審査があり、採択されないともらえない

  • 経費の全額ではなく 一部のみ補助

  • 補助率・補助上限額が制度ごとに決まっている

  • 入金は 事業完了後の後払い

  • 自己負担と立替資金が必要

例:補助率1/2・上限200万円

  • 300万円の投資 → 150万円補助

  • 500万円の投資 → 200万円補助(上限)

補助金は金額が大きい分、準備と計画書の質が採択に直結します。

 

3.給付金とは

給付金は、助成金・補助金以外の幅広い目的で支給される制度です。

例:

  • 災害や感染症などの影響を受けた事業者への支援

  • 一時的な経済対策としての給付

  • 条件を満たす個人・事業者への定額給付

返済不要で申請が必要という点は共通しています。

 

4.3つの違い

助成金・補助金・給付金の違いを図にまとめると以下の通りです。

■ 目的
  • 助成金:雇用環境整備・研究開発

  • 補助金:新規事業・設備投資

  • 給付金:その他幅広い目的

■ 審査
  • 助成金:要件を満たせば受給しやすい

  • 補助金:審査あり(採択制)

  • 給付金:審査なしのものが多い

■ 自己負担
  • 助成金:なし

  • 補助金:必ず発生

  • 給付金:なし

 

5. 制度の選び方

助成金が向いているケース

  • 人材採用・教育を進めたい

  • 労務環境の改善に取り組む予定

  • 比較的確実に受給できる制度を使いたい

補助金が向いているケース

  • 新規事業を始める

  • 設備投資・IT導入を予定している

  • 立替資金や計画書準備が可能

給付金を確認すべきケース

  • 災害など外部要因の影響を受けている

  • 自治体独自の支援がある可能性がある

制度選びに迷う場合は、決断サポートグループでもご相談をお受けしています。

 

6. 申請前のチェックポイント

  • 制度の目的と自社の取り組みが一致しているか

  • 補助率・上限額・対象経費を正しく把握しているか

  • 申請期限に余裕を持って準備できるか

  • 補助金の場合、立替資金の計画があるか

  • 必要書類を揃えられる体制があるか

 

7. まとめ

助成金・補助金・給付金は、いずれも事業を後押しする心強い制度ですが、特徴は大きく異なります。

  • 助成金:条件を満たせば受給しやすい

  • 補助金:審査があり、自己負担も必要

  • 給付金:広い目的の支援で、申請すれば受給できるものもある

違いを押さえることで、自社に合った制度を選びやすくなります。

 

 制度の活用に不安があれば、決断サポートグループでも検討のお手伝いをしています。

お気軽にご相談ください。

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